【累々舎】京庵・SS

累々舎

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夏の幻影

どこかの軒先で、風鈴が涼しげな音を立てていた。

深夜に急変した、雷を伴った集中豪雨は長らく街を覆い尽くしていたサウナのような湿度を全て吐き出したようで、今朝の夏空と空気は清々しさに満ちている。
その気持ち良さと、微かに届いた風鈴の音に気紛れを起こし、京は久々に出たロードランニングのルートを変えてみた。

誘い手は、古寺に隣接する小さな植物園のあずまやに吊るされていた。
呼吸を整えながら周囲を見渡せば、小山を模したような構造になっているのが見て取れた。
ミニチュアじみた滝まであり、京は微かな興味を覚えてストレッチしながら散策した。

――と。
群生する白い花の前で、京の足が止まった。
円形を成す白い花弁の上、白と紫の繊毛を花火のように広げた花。
花など大して興味もない。
だがこの花には、確かに見覚えがあった。

「何だっけな……」

小さく呟き、顎に手を当てしばし考える。

最近、ではない。
かなり昔――と記憶を巡らすうち、京の脳裏に着物姿の小さな人影が過った。

(ああ……、あン時だ――)

チリン、と風が揺らす風鈴の音が、その花を映す京の視界に追憶を重ねて甦らせた――


――その日は、日が昇る前から両親ともども大人達が忙しなく動き回っていた。
複数の『家』で執り行う神事の為、夏休みの旅行がてらと京も連れてこられたのだが、観光地でもない場所は十にも満たない幼い京にとってはただただ退屈。
しかし神事当日の慌ただしさを目の当たりにしてしまえば、さすがにごねる気にもならず。

「ちょっとその辺ぶらついてくる」

昼前には戻るようにとしつこいほど釘を差されたのを軽い頷きのみでいなし、京は外に出た。
車一台通れるだけの、おざなりのアスファルトの両脇は山。
する事もないし、と樹木を敵に見立て、京は適当に徒手を繰り出しながら駆け上る。
視界が開けた場所を目指すと、粗末ながらもロープが張られた遊歩道に出た。
少し急なその道を駆け上がると、撓む木の屋根が見えた。

そして、もう一つ。
藍染小紋を纏った、小さな人影。
風が過り、古ぼけたあずまやに吊るされた風鈴がチリン、と澄んだ音を鳴らす。
京の足音に、その人影が振り向いた。

年の頃は、京とそう変わらないであろう――真っ白な肌の、人形のように綺麗な子供。
サラと流れる赤みを帯びた髪と朱色の切れ長の双眸に、京は息を飲んだ。
夢か現か……、京がくっきりした二重瞼の両眼を大きく瞬きさせたその先で、紅い髪の子供は微かに柳眉を吊り上げた。
それは乱入者への厭わしげな表情であったのだが、幼い京にそれが判るはずもなく。
ただ整った無表情が動いた事で、京はその子供が確かに実在する者だと理解して、紅い髪の子供がいる方へと歩を進めた。

「――何してんだ?」

紅い髪の子供は、スケッチブックを持っていた。
目の前には、白と紫の、変わった花。

「写生?」

無遠慮に覗き込む京を、紅い髪の子供は顔を僅かに歪めて見遣った。
朱色の瞳に映るのは、背こそほぼ同等だが、程よく肉厚で締まった体格をした、いかにも健康そうでやんちゃな印象の黒髪の少年。
返事がないのを怪訝に思ったか、京が顔を上げた。
人好きする顔立ちは線こそまだ柔らかいが、意志の強そうな眉と強い光を放つ黒曜の眼には凛とした風情があり、どこか品の良さも窺える。
紅い髪の子供が目を眇めて口を開いた。

「……この辺の者ではないな」

少し低めの、落ち着いた古風な口調。
地元の――良家の子供だろうか、と京は思った。

「え、俺はまぁ……、旅行? で」

京の返答に、紅い髪の子供は目を伏せて小さく嘆息した。
そしてひどく大人びた仕草で目の前の花を顎で示した。

「……見ての通り、写生をしていた」
「ふーん? 花、好きなのか」

感情を押し殺したような、平坦な声の調子に気付きもせず、京は目の前の花を見た。

「変わった花だな」
「時計草という――らしい。そう知られた花でもないし、構造的には物珍しくもあるから、自由研究課題のネタにしようと写生していた」
「あー……、夏休みの宿題か」

京があからさまに苦い顔をした。

「その様子では、お前は何も手を付けていなさそうだな」
「だって、夏休みだろっ! 暑くて勉強には向かないから学校休みなのに宿題あるとか……、抜本的に間違ってるだろ!」
「……それを言うなら根本的、だ。馬鹿め」

辛辣なツッコミに、京は反射的にギッと睨みつけたが。
京の屁理屈の、何がしかが琴線に触れたのか、紅い髪の子供は口元に小さな笑みを宿していて――京はドキリと胸を鳴らして眉を下ろした。
紅い髪の子供は手元に視線を落とし、スケッチブックを一枚破くと画板と共に京へと差し出す。

「ついでだ。教えてやるから、一つぐらい終わらせておけ」

『体裁』さえ整っていればいいのだから子細に描く必要はない、と赤い髪の子供は言い。
特徴を端的に描いた絵に説明用の線を引き、これが花弁でこれが雌しべで……、とサラサラと花の『構造』を書き綴ってゆく。
その淀みない説明に写す手が追い付けず、京がう〜と唸ると、紅い髪の子供はすっと京の紙に手を伸ばし、書き添える。
自らの手と重なりそうなほど近くに寄せられた、白く繊細な指に――何となく気恥ずかしさを覚え、視線を上げれば。
間近に、藍染の襟足と赤みを帯びた髪の間から覗く細い項があった。
しなやかな線に、コクリと小さく京の喉が動く。
知らず京はその項を目線で辿り、俯き加減の横顔に目が吸い寄せられた。
ただしゃがみ込んでいるだけなのに……、京の心臓はまるで全力疾走をした後のように早鐘を打ち、腹の底に熱が溜まっていく。

「――どうした?」

朱色の双眸に見据えられ、京は慌てて頭を振った。

「い、いや! どうもしねぇ!!」
「……早く仕上げてしまえ」

言って、薄く汗をかく京に紅い髪の子供は怪訝な目を向けたが、はたと気付いたように立ち上がって天を仰いだ。

「む――そろそろ、戻らねば……」

光源はいつの間にか、中天近くから降り注ぐものへと変化している。
紅い髪の子供の言葉で、京も『昼には戻れ』と言い渡されていたのを思い出し、慌てて立ち上がった。

「ヤベッ、俺も帰らねぇと……!」

紅い髪の子供は黙って頷き、片付けを始めた。
京も画用紙を丁寧に折り畳み、大事そうにジーンズの後ろポケットにしまい込む。

「これ……、サンキューな」

借りた画板を差し出すと、紅い髪の子供は無言で頷き受け取った。ほんの微かな、柔らかい笑みを見せて。

「……!!」

もう、限界だった。
何がどうなのか幼い京には判らなかったが、とにかく限界だった。

「な、なぁ……!!」

京の急な大声に、紅い髪の子供がビクリと動きを止めた。

「その……、明日もここ……、来るか?」
「――え?」
「会いてぇんだ! だからっ……!!」

炎を宿したような京の強い目と必死な物言いに、紅い髪の子供は何か眩しいものを見たように目を細め――少し困ったように頷いた。

「家の都合があるから約束はできないが……、来れたら、な」
「ホントかっ!!」

パァと顔を輝かせ、文字通り飛び上がって京は喜び――その勢いのまま、紅い髪の子供に抱きついた。

「な、何っ……!!」

紅い髪の子供が驚いて声を上げたが、京はそれに構わず、藍染に包まれた自分より僅かに細い白い身体をぎゅうと抱き締めた。

「マジ嬉しい……! 来れたらでいい――俺、待ってるからな!!」
「判ったから――離せっ……!」

苦しげな声に慌てて京は腕の力を弱めた。
しかし一度触れてしまうと離し難く……、京は両腕を細い腰にそっと移動させるに留める。

「――おい……?」

腕の中に囲われ、紅い髪の子供が戸惑って京を見る。
自らが映る京の大きな黒い瞳には、熱がこもっていた。
その熱は、滾る炎に似て。
ふと、自身が焼き尽くされるような眩惑を感じた。

「なぁ――名前、教えてくれよ。俺は、草薙京」
「……!?」

朱の双眸が、驚愕に見開かれた。

「……草、薙……?」
「京でいいぜ。――お前は……?」

京は紅い髪の子供の頬を一撫でして尋ねた。
紅い髪の子供は、目を丸くして――京を見据えている。
金が混じる朱の双眸は、あまりに美しくて。
微かにわななく薄い桜色の唇が、京の脳を灼いた。

脳天から背筋へと走った一瞬の痺れが促す本能のまま、自分でも気付かぬうちに。
京は、赤い髪の子供の口に唇を重ねていた――


「――で……? 何故その花をここへ持って来る」
「だぁから! 忘れてたけど、俺の淡〜っい初恋の思い出の花なんだよ。これは!!」

ちなみに手折ってきた訳じゃねーぞ、眺めてたら庭師のおっさんが通りかかって、頼んだら切ってくれたんだからな! と答えになっていない言葉を庵に返し、京は勝手にキッチンをガチャガチャと探り出していた。
花瓶となるものを探しているようだが、騒々しいことこの上ない。

ライブとオールの打ち上げの朝帰りとはいえ、ソファーで惰眠についたのは間違いだった……、と庵は額を押さえたが。
どの道ベッドで寝てても、同じように叩き起こされたのだろうと即座に思い直し、瞼を落として盛大に嘆息した。

心境通りの行動が取れるのならば、『死ね!』と叫んで八稚女でもぶちかまして放り出してやりたい。
……が、低血圧の頭では言動ひとつ起こすのも億劫で。
かくて庵は本日も、殺気も警戒の欠片もない宿敵の闖入を許してしまったのである。

京が大した用もなく庵の部屋に入り込んでくるのは、腹立たしくも慣れた――というか、慣らされた、というべきか。
しかしそれにしても。
少し遅めとはいえまだ朝、といえる時間帯に『初恋の思い出』なる品を持ち込んで、庵の安眠を妨げる行為には全く合点がいかない。
うんざりと気怠さをシェイクした諦念の域でソファーに寝そべったまま放っておけば、京はベラベラと、本人が言うところの『忘れていた』、『純で淡い、甘酸っぱい思い出』とやらを喋り出した。

庵が欲するのは京の命であって、過去だろうが現在だろうが、その心情などどうでもいいのだ。
当然聞くつもりもなかったが、京の艶がかった声はよく通り、勝手に庵の耳に入って来てしまう。
だが京の独白が進むにつれ――その内容は、庵が胸の裡深くに封印した記憶と繋がり始めて……、庵はグツグツとマグマのように沸き始めた頭痛を堪えながら、ゴキリと指の関節を鳴らした。

「……マジでヤバかったぜ、あれは! あんな綺麗な子、今でも見たことねぇしな。
あれってやっぱ、一目惚れだよな……! もうさ、欲しい!! ……って思っちまって。勢いで初チューかましてたしよ。
ヤベェよなー、俺。もうちょい年いってたら、絶対ヤっちゃってたな、あれは」

――それのどこが純だっ……!?

しょっぱなから野外とかヤバすぎるよな、とカラと笑う京に、庵は怒りで声も出せなかった。

京にとっては良い思い出らしいが、庵にとってのあれは、黒でも足りぬ黯黒歴史に他ならない。
知らずとはいえ、660年の怨嗟を因縁を抱える宿敵の――神事に関わるいずれかの家の子供らしいと悟ってしまった為、次期当主として、あくまで家の体裁を考え、退屈しているらしい子供の暇つぶし相手になってやったというのに。
その義務感の果てに、女と間違われてキスされる、などという愚行を受けたのだ。

激昂して八酒杯(未完・特訓中)を繰り出してやったものの。気絶した京を背負って草薙家の滞在先付近まで運ぶハメになった道中の心境なぞ、正直思い出したくもなかった。
殺すべき、そして今すぐ殺してやりたい宿敵なのに、怨恨討ちは二十歳から! などというふざけた鉄の掟で止めすら出せず。
……あまつさえ。
ひっつかれた時にも察してはいたが、背丈はほぼ同等なのに京は明らかに庵より重く――それはつまり、体躯の優劣を意識せざるを得なく……。
そういった、あらゆる屈辱を歯噛みして飲み下し、その忌まわしさの元凶を無難な場所まで運んでやった道程は、心理的にも肉体的にも、途方もなくキツかった。
――あの一件以来、庵はもうこの先どんな苦行もこなせると思ったし、事実、荒修行も自ら進んで行うようになったのだ。

そんな、怨恨に満ちた記憶を。

「……けど、初キスの後の事は全く覚えてなくてよ――相当舞い上がってたんだな、俺」

ニヤけた面で楽しそうに語られるのを聞くのはどうにも堪え難い。
もう後の惨状なんかどうでもいい、この怒りに任せて今すぐ闇払いでもぶちかましてやろうか……っ!!

ビキビキと、額と右手に筋を浮かばせている庵に気付かず、京は続けた。

「しかも俺、浮かれすぎてたのか――帰り道、どっかから転げ落ちたみたいでさ。気付けば泊まり先の近くの道路で伸びてたんだよ。
神事には遅刻、怒り狂った親父には即行帰って修行しろと、その日の夜に実家に連れ戻されて……、もう散々だったんだけどな」

ハァと溜息をつく京に、庵は熱を帯び始めていた手の力を緩めた。

「……フン、いい気味だ」
「そんな事言うなよ」

水を入れたデカンタを手に、京がキッチンから出てきた。
ソファの前に鎮座するガラステーブルにそれを置き、切り花となった時計草の花弁を愛おしげに触れ――花瓶代わりのデカンタに挿す。
そうして京は、ソファーに寝そべる庵の傍らに腰を落とした。

「結局、あの子には会えなくなっちまうし……。俺から来てくれ、って言ったのにさ……。
またあの場所に行けば会えるかとも思ったんだけど、あそこでやる神事は何十年に一度かの類らしくてよ。もうしばらくは行く機会もないと言われてな。……俺、結構辛かったんだよな。だから、忘れたのかも」

意気消沈といった風情で、京は自嘲的な笑みをこぼした。
その、実に物珍しい態度を見て、庵はかなりの煮え湯を昇華させ――実力行使を取りやめる代わりとばかりに口元を吊り上げた。

「何とかは実らずの定説通りの話だな、いい様だ」

庵はわざと癇に障る言い方をし、京が顔を上げた先でせせら笑う。

「……あ?」
「それに心配するな。お前と会ったソイツも、神事の後始末をサボってまで下心丸出しの行為を強要した貴様に会いに行くとも思えん」

フンと鼻で嘲笑う庵を、京は剣呑な表情で眺めていたが。
不意にニヤリと唇を吊り上げた。

「神事の後始末、ねぇ……」

京はゆっくりと背筋を伸ばし、庵へと身体を傾ける。
鼻が付くほど近付くと、京は片手で庵の後頭部を掴んだ。

「――なぁ、八神。俺は一言も、あの子が神事関係者筋の家の子だなんて言ってないぜ……?」
「……!」

ざざっと血の引く思いをして、庵が固まる。
常日頃からそうだが、庵感情を表に出さない。
しかし、身体の微細な反応は――
京の黒々とした眼が、一段、濃さを増す。庵は脳を高速回転させた。

「貴様は知らんのか。今の話の頃合い、十数年周期で執り行われる神事で当てはまるのは一つのみ。そしてその場所で草薙家が滞在する場所を考慮すると、貴様が立ち入った山というのは、北方の忌地だ。
……あそこは、おいそれと地元民が立ち入る場所ではない。よって、貴様が会ったのは神事関係者筋の者なのだ」

初耳だったらしく、京が素直に目を丸くした。

「へぇー、そうだったのか」
「判ったら離れろ、鬱陶しい!」

京の身体を押しのけようとする庵の動きを空いた手と上半身で抑え込み、京はニコリと笑顔を向けた。

「忌地って事は、つまり――あそこは八神筋の地って訳だろ」
「……そうだが……?」

笑みに宿る黒い翳りを警戒しつつ庵が頷く。
その翳を、京は一段、深くして。

「じゃあ聞くけどよ。八神筋の家で、俺と同年代のヤツっているか?」
「……それは、いるだろう」

宗家当主とはいえ家の事は一切何もしていないから庵もよく知らないのだが、名字の異なる分家まで入れれば、いる率の方が高いだろう。

「まぁそうかもな……。だがな、八神。
俺と同年代で――しかも紅い髪と朱い目……、って条件が加わったら、どうなる……?」
「――!!」

ギクリと揺れた動きを、今度こそ確実に京に伝わってしまった事を庵は自覚した。
京が肩を小刻みに揺らして喉で笑う。

「髪はともかく、この目だけは、真似しようがねぇよなぁ……。
八尺瓊氏の時代から、特に力の強い宗主にしか表れない、滅多に見られない特徴だとか――? 古文書管理の爺が言ってたぜ……?」

白い頬を指で撫で、半顔覆う赤い髪をさらりと掻き上げられる。
優しいとさえいえる仕草と熱を帯びた黒眸に、庵は血の気が下がるのを感じた。

「薄々は気付いてたけどよ……、やっぱり庵だったんだな」
「ち、違う!! 貴様の勘違いだ!!」
「往生際が悪ぃな」

小さく笑いながら京が膝を上げ、庵の身体の線に沿って伸し掛かる。
頭か、耳の奥で警笛が鳴り響いているのに、動けない。
京の目に、庵は猛る炎を見た。……あの日のように。

――太陽フレアか、と庵は思う。
この熱に灼き尽き溶かされてしまいたい……、とも思う。

京の指先が庵の顎を捕え、僅かに上向かせられる。

「拒まないよな? ……今度はちゃんと、聞いたぜ?」

中天に坐する太陽を思わす尊大さ。
それのどこが尋ねている態度なんだと思いつつ。
だがそれを言葉にするのも億劫で、庵は手足の力を抜く事で答えてやった。





――大昔に使っていたUSBを発掘しまして〜、そこに残ってたデータですゎ。
いや、懐かしい。
美術部という名のヲタ部に入っていた友達に頼まれ、部活内の会誌?に提出したモノ。
……つまりは当時、その友達らは庵京・京庵にハマっていたんですな〜。
当時の私は、PCのヲタつーか弱ギーグ系であって、ゲーム系はライトプレイヤーに過ぎず(まぁ傾向としては今もそーですが)――その会誌、友達らが書いていた漫画やら小説やらで二次のその道を知った訳で、仰天しつつもイケナイ雰囲気にドキドキしちゃってたのを思い出しました笑
んで、会誌は『読まされてた』を装いつつも、きっちり全部読んでいてww
読んでいるんだから何か書いて! と頼まれ、密かに喜びつつも、いざ書き始める段になるとかなり困って――
何せ、PC系ギーグ人間。蒼い春が似合っちゃうお年頃のおんにゃのこだったクセに、人間関係はもとより恋愛系にも疎く、っていえば聞こえはいいけど、それはプロセスの無駄! 省略できるものは省け!
……とかのたまっちゃう、人と接することすらプログラムルーチンを当てはめちゃうよーなお子ちゃまには、妄想など縁遠く、あまりにも壁が高すぎた……。
まぁ、それは今もですケド;
とにかく締め日までに上げないと、と必死こいて会誌を読み漁り、みんなが書いているネタから京庵の骨子を思い描き、それっぽい雰囲気をどうにかこうにか作り上げようと、がむしゃらに文字を連ねた――そんなデータでした……。
とはいえ。
発掘して、懐かしさと気恥ずかしさを思い出しつつも痛感したのは、私は本当に創作・妄想の成長率がないんだな〜〜ハハッ、ってことで;
物悲しいけど、自分で仕上げた初作品だからと載せてみました! 開き直り!!!

――しかし私、風鈴好きだな〜ww
この音に追憶を重ねるシチュ好きなのは変わらないようです、ハハハ!


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